6・10 学科 ポートフォリオ作成基礎⑤【オンライン】

デザイナーに必要なヒアリング力

1. なぜデザイナーに「質問力」が必要なのか?

デザインの本質は「問題解決」だからです。 きれいな見た目を作るだけでなく、クライアントの表面的な要望(例:「シンプルなデザインにしてほしい」)の奥にある「本当の課題」を正確に把握するために、質問力が不可欠となります。

2. 具体的な2つの質問テクニック

記事では、明日から使える2つの実践的な方法が紹介されています。

① 5W1Hを「デザインの文脈」に翻訳して聞く

通常の5W1Hを、そのままではなくデザインに落とし込める具体的な質問にアレンジして使います。

  • What(何を): 「どんな印象を与えたい?」「ユーザーにどんな行動をとってほしい?」
  • Who(誰が): 「ターゲットは誰?」「その人は普段どんなデザインに触れている?」
  • Why(なぜ): 「なぜ今これが必要?」「現状の何が課題?」
  • When(いつ): 「どのタイミングで使われる?(急いで見るか、ゆっくり見るか)」
  • Where(どこで): 「どんな場面で見られる?(スマホ、PC、屋外など)」
  • How(どのように): 「どんな流れで使われる?」「他ツールと組み合わせる?」

② 「なぜ(Why)」を3回重ねて深掘りする

クライアント自身も気づいていない「本音」や「真の目的」をあぶり出す手法です。

【例】「シンプルなデザインがいい」と言われた場合

  • 1回目: 「なぜシンプルなデザインがいいのですか?」 ➔ 「わかりやすい方がいいから」
  • 2回目: 「なぜわかりやすさが重要なんですか?」 ➔ 「ユーザーが迷わないようにしたい」
  • 3回目: 「なぜ迷うことを心配されているのですか?」 ➔ 「実は今のサイトの離脱率が高く、売上に影響が出ているから(=本当の課題)」

このように繰り返すことで、「シンプルにする」こと自体が目的ではなく、「離脱率を下げて売上を上げる」ことが真の目的だと分かります。


3. 最も大切なマインド

テクニック以上に重要なのは、「相手への関心」です。

  • 「この人の課題を本当に解決したい」
  • 「この人のビジネスを成功させたい」

という相手を思いやる気持ちがあるからこそ、自然と良い質問が生まれると述べられています。

今すぐできるアクションプラン

質問力を鍛えるために、まずは以下の小さな一歩から始めることが推奨されています。

  • 打ち合わせで必ず「なぜ」を3回聞いてみる
  • 相手の感情(不安や期待)について1つは質問してみる
  • 毎回、上手くいった質問や印象に残った質問をメモしておく

デザイナー向けの「質問力・ヒアリング力」

1. 記事の結論:デザインと営業の「質問の本質」は同じ

畑違いに見える「デザイナー」と「営業(ビジネス)」ですが、成果を出すために必要な質問力の本質は完全に一致しているという気づきが語られています。どちらも「相手の本当の課題を解決する」ための手段だからです。

2. 3つの核心的な気づきと要点

① 優れたデザイナーは「御用聞き」にならない

クライアントが「シンプルなデザインにして」と言ったとき、それを真に受けてそのまま作るデザイナーは二流です。一流のデザイナーは、「なぜシンプルにしたいのか?」という背景(Why)を問いかけます。 これは営業活動において「言われた製品をそのまま売るのではなく、顧客の真の困りごとを解決する」のと全く同じプロセスです。

② クライアント自身も「本当の課題」に気づいていない

多くの場合、依頼主はデザインのプロではないため、自分の「困りごと」を正しい言葉で表現できません。

  • クライアントの言葉: 「もっと目立つ色にしてほしい」
  • 真の課題: 「特定のターゲット層に届いていない(認知不足)」

デザイナーが5W1Hや「なぜ」を繰り返して深掘りすることで、クライアント自身すら自覚していなかった「真の目的(ゴール)」を一緒に見つけ出すことができます。

③ テクニックの土台にあるのは「相手への関心とリスペクト」

「なぜ」を3回繰り返すといった手法(3つのWhy)は有名ですが、ただ機械的に質問を繰り返すと相手を問い詰める(尋問の)ようになってしまいます。 質問を機能させるために最も重要なのは、「この人のビジネスを成功させたい」「課題を解決したい」という相手への強い関心(愛着やリスペクト)であると結論づけています。


まとめ:このnoteが伝えるメッセージ

デザインもビジネスも、「優れたアウトプット(解決策)は、優れたインプット(質問による課題抽出)からしか生まれない」ということです。

「何を質問すればいいか分からない」と悩むのは、手法に囚われているから。まずは「相手に徹底的に関心を持つ」というマインドセットを持つことで、自然と本質を突いた質問ができるようになる

「デザイン思考(Design Thinking)」の本質と、具体的な5つのステップ、そして企業の成功事例について

1. デザイン思考とは?(本質)

デザイン思考とは、デザイナーがデザインを行う際の「思考プロセス」をビジネスや商品開発に浸透させたものです。

  • 最大の特徴: 徹底的な「ユーザー視点(人間中心)」。
  • 目的: 作り手の思い込みや技術起点ではなく、ユーザーが本当に求めている「本質的なニーズ(課題)」を発見し、それを解決する革新的なアイデアを生み出すこと。

2. デザイン思考の「5つのプロセス」

デザイン思考は、以下の5つのステップを何度も行き来(反復)しながら進めるのが特徴です。

[共感] ➔ [定義] ➔ [概念化] ➔ [試作] ➔ [テスト]
  ↑----------------------------------------↓ (フィードバックで戻る)
ステップ実施すること具体的なアプローチ
1. 共感(Empathize)ユーザーに徹底的に寄り添い、理解するインタビューや行動観察を行い、ユーザーの感情や背景を知る。
2. 定義(Define)ユーザーの「本当の課題」を特定する集めた情報から、ユーザー自身も気づいていない「本質的なニーズ(不満や望み)」を明確にする。
3. 概念化(Ideate)課題を解決するアイデアを出し合う制限を設けず、ブレインストーミングなどで質より「量」を重視して多様なアイデアを出す。
4. 試作(Prototype)アイデアを素早く形にする時間をかけず、低コストで簡単な模型や画面イメージ(プロトタイプ)を作る。
5. テスト(Test)ユーザーに試してもらい、検証する試作品を使ってもらい、「どこが良かったか」「どこが使いにくいか」のフィードバックを得て改善する。

3. デザイン思考の成功事例

記事では、デザイン思考を取り入れてブレイクスルーを起こした代表的な事例が紹介されています。

  • P&Gの「電動歯ブラシ(オーラルB)」
    • 初期の思い込み: 歯磨きデータの記録など、多機能なハイテク化を目指していた。
    • 共感と定義: ユーザーを観察すると「そもそも歯ブラシの充電や替えブラシの注文が面倒」という本音を発見。
    • 結果: 「USB充電の簡素化」と「ワンクリックでの替えブラシ注文機能」という、本当に求められていた価値を形にして大ヒット。
  • 任天堂の「Nintendo Switch」
    • ユーザーがゲームで遊ぶシチュエーションや「誰とどう楽しむか」を徹底的に観察・共感し、「据え置き機としても携帯機としても遊べる」という新しい体験のデザインに成功。

まとめ:なぜ今、デザイン思考が必要なのか?

モノやサービスが溢れ、ユーザーの価値観が多様化した現代では、これまでの「高機能だから売れる」というアプローチが通用しなくなっています。

まずは「相手の痛みに共感する(ステップ1)」ことから始め、小さく作って試すサイクルを回すことで、失敗のリスクを最小限に抑えながらヒットを生み出すことができるため、現在のビジネスにおいて必須の思考法とされています。

参考サイト

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